あ、地震だ、と思うことが最近、多い。今日も思った。隣のやつもそう思ったようで、無言で顔を見合わせた。でも地震ではなく、向かいの人が立ち上がって鞄を肩に引っ掛けたときの振動だった。そんな仕草で、振動が起こるのか?と思うが、感じるのだからしょうがない。さっきも、あ!と思って、部屋にいるときは必ず、天井から吊り下がっている照明が揺れているかを見るのだが、揺れてないので気のせいだ、と思って、しかしその後で少しずつ揺れ始める、ということも今まで何度もあったパターンである。地震に気付く際の半数とは言わないが三分の一は、地震の直前に気付くパターンであると言っても過言ではない。なぜか、気付く。揺れる前のなんらかの予感というか兆のようなものを感じる。だから今回も、しばらくじっとして待機する。耳をすます。地震とは、じつは音なのではないか?とも思う。何か今まで聴いたこともないような音が近づいてくるとき、それが地震なのではないか。少なくとも2011年のときはそうではなかっただろうか。そしたら、音が来た。ごーっと低く近づいてくる。いよいよ来たかと思ったが、音だけで何も起こらない。そのうち音も消えた。ただの風だったようだ。でも直前で風にかわったのかもしれない。