夜遅くになって最寄り駅に着いて家に帰る途中、缶ビールを飲みながら、夜の桜の、暗い夜にぼやっと白いものがいくつか点々に散らばり始めたのを見上げながらふらふらと歩いていて、これがこのあと数日後には、もっと白いところが増えて、ばーっと全体的に、反転の広がりがでかくなっていくとして、しかしこんな、まるでポップコーンみたいなぼわっとした白いものを見ていったい何が楽しいのかとも思うが、でも、これって咲いてるときは何とも思わないけど、咲いてないとき、つまり一年のほとんどの時期で、ああ、やっぱり桜が咲く時季はいいなあと想像されていて、その想像の中のやつが、すごく魅力的なのだろう。実際は、まあ、せいぜいあんなものだし。