SAHARA


今日の暑さは、たぶんここ数年をふりかえっても、最強クラスだったのではないか。僕はまあ、日中はビルの中にいるから昼間の暑さを知らないのだけれども、会社を出て駅の改札に向かう途中の、只事ではない猛烈な熱風がふわーっと押し寄せてきたのには驚いた。陽が翳っても、気温はまったく下がっていないという感じだった。こんな夜があるのかと思った。朝方に、延々と幻想を見つつ、ついにチフスポートモレスビーが死んだし、帰りの電車では、キットがひたすら砂漠を彷徨っていた。