金曜夜

数年ぶりにYさんと会う。金曜夜の横浜は賑わっていて、少し急ぎ足で西口周辺を彷徨い、取り急ぎ空席のあった適当な店にすべりこむ。安居酒屋は満席に近くて、誰もが大声で喋っていて、店内が喧噪に包まれているので、向かい合った我々の声も自然と大きくなる。こんな風に居酒屋ボリュームで相手と話すこと自体がすごく久しぶり。

最近の自分が、お店に行って食べてみたい料理としては、すっぽんと泥鰌であるとの話をしたら、泥鰌はたまに奥さんと浅草まで食べに行くそうで、だったらぜひ僕も連れてってくださいよと、あつかましくもお願いする。わかった、そしたらまた、夏が近づいた頃ね、あなたのうちの奥さんも一緒にね、とのこと。そうか泥鰌の旬は、春じゃないのか。牛蒡だの葱だのが、春先の感じがするけど、そうじゃないのか、できれば今すぐ食べたいが、そこは抑える。