「We Belong Together」Mariah Carey


We Belong Together


例えば、Mary J Bligeという人は、どんだけアルバムを出して色んなプロデューサーと組んでも、なんというか、ある種の「体質」が滲むというか、どこを切ってもMary J Bligeな音楽を現われるという意味では、すごいR&Bシンガーである。という事にもなろう。


あるいは、Beyonceなどという人は、これは曲がどうとか、歌がどうとか言ってても仕方が無い、ある種の「祭り」的疾風として鳴り吹雪くサウンドであり、あのミニスカから突き出たビア樽のような太ももと共に、得体の知れぬ津波警報のような何かとして感受されるべきものであろう。


更にJill Scottなどという人は、これはもうものすごい真面目でいろいろ空気読む能力に長けていて、なおかつ技術力も飛び抜けているという組織内なら間違いなくエリート。って感じの雰囲気を感じさせながらも、どうにも決定打に欠けた80点の作品ばかり連発する、なんとも歯がゆい気持ちにさせ、でも取り巻く者共に「僕だけはキミのハイセンスをわかってるよ」と思い込ませて、ちょっと優越感を感じさせいい気分にさせてあげる細かいテクにはきっちり長けてるという…まあ、ある意味いかにもなミュージシャンであろう。・・・いすれにせよ上記は、Queen Of R&Bなどというカテゴリの強化に、いくらでも貢献できる素敵なミュージシャン達である。


…じゃあマライアキャリーはどうか!?


これが今夜のテーマでありますが、マライア聴くのはやばい。恥ずかしい。っていうか普通に聴いてて面白くないし、今更こんな集金ソングみたいな産業R&B聴いて喜んでるヤツはバカでしょ?終了・・という事なのだろうが、僕は今日、napsterQueen Of R&Bと題されたプレイリスト聴いてて、これはマライアいいわ。と思いました。もう最高だって思いました。


何が良いって、まずエロイですから!それ重要。エロイよジャケット。「曲じゃねーのかよジャケットかよ!」とか突っ込まないでほしい。っていうかこのジャケット超最高です。…やっぱ、あの醸し出す雰囲気というのは、音楽的にどうこうとか、セールス的にどうこうとか、今サブカル的にどうこうとか、音楽的にどうとか、そういうのとなんにも無関係な、単なるエロイ女のエロサが出たエロイ音楽の露呈。という感じがする。


We Belong Togetherという曲は、とても良い曲だと思うが、同時に、どう聴いても救いようが無く凡庸な曲に聴こえる。しかし、それすなわち「エロ」である。(すげー金持ちそうな男と結婚式の最中に、すげーイケメンがジーと見てて、結局そのイケメンと駆け落ちする(でもイケメンのクルマも高級車)…そんなおとぎ話の合間合間に、すごい格好したマライアが悶えながら歌ってる。というのが、この曲のプロモーションビデオである。)


エロの躍動に貴賎の差は無い。たとえば滑稽なまでに唐突な格好で、媚びを含んだ笑みと不安に覆われた緊張を混ぜ合わせた複雑な表情で、客引きを試みる娼婦が醸し出してるオーラを、マライアキャリーというセレブリティも濃厚に纏っている。…この、「突然脱ぎだす」感じというか、「突然発情している」感じというか、なんなの君??という感じというか、こういうどうしようもなく露呈してしまう、目の前の他者の凍て付くような孤独感というのは、とても「痛い」もので、しかしそれゆえ、その噴出したくなるような滑稽さと痛みゆえに、場合によっては性行為自体よりも、何倍も甘美であったりもするのだ。。


・…しかし、それにしてもなんて不毛な曲なんだろう。こんな曲を作るなんて、「プロのマーケッター」としては最高でも、「プロのクリエイター」としては最低だろう!?…でも、それでいて、なんて胸を締め付けるような切ない瞬間をもった曲だろう。ってか、なんで僕は、この曲をこんなに好きなのか!?こんな曲を好きだという事は、とても恥ずかしいことで、場合によっては、実名晒してblogやってる自分のイメージをダウンさせてしまうのではないか?!!でも、やっぱり僕は、「We Belong Together」が好きで、大好きで・大好きで、結局、クリエイティブなんていうのが如何ほどのものなのか!?とも感じさせる、そんな超・エロソングが「We Belong Together」です!!!