台風一過


 


午後もやや風が強いが、概ね平常に戻ったようだ。仕事をしていてふと気付くと、夕焼けで外が染まっていたので携帯で撮影。


「上手い絵」というのは、その絵の内部で自らを律するためのルールに基づいて極めて正確に根気よく秩序付けられ、はじめに決めた事を完遂させる意志の貫徹を感じさせ、かつ、自分と無関係な外部とも程よく連絡可能なようになっている。そういうトータルとしての調和が優れているのだと思う。しかしこれは、そのように頭で思い描いた「上手さ」であり、そのようにあらかじめ揃っている材料の組み合わせでモノを考えても意味が無いのだろうけど。


結局、「人柄」みたいなものが信頼されるから良い。というのも絶対にある。信頼とか記憶とか、そういうのが全くなしで、いきなりまっさらの状態で自分の電源が入り、何もかも新たに判断し直す事はできない。継続性なくしては判断できない。そういうのを全く欠いた世界というのは在り得ない。


しかし、今何も無いところからいきなり何かを作ろうとするなら、それは既存の何かに沿うような手つきでは駄目なのである。むしろそういうものに目もくれないような態度でなければならない。常に全くの部外者で居る事だ。それは自分の中の信頼とか記憶とかをもっとも原初的な状態のまま保持しておくためでもあるだろう。