「映画の天使」


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しかし京都とか神戸とかいう町こそが、往年の日本映画を作ったのかもしれない。思わずそう感じてしまうほど、ここでの関西言葉の応酬は面白くて洒脱でプロ意識に貫かれていて凛としている。というか、人間の品性とか上品さとかって、おそらくこういう事だろうと思う。

映画ゆうものはどんな役に立つか?…それはさっきも言うたように、この「デリケートな神経」…花がきれいという事、うつくしいという事をね。それをもっと世間の立派な人にも知ってほしい思うけどね。歌舞伎すきな人、文楽すきな人、映画好きな人、バレエ好きな人…そんな人は観て泣きますねえ。いいなぁって。…そういう人は、「気の付く人」になるの。「気の付く人」言うのは、どんなに大事なことか。暑いときには「冷たいものあげましょう」花見たらキレイでしょう?「ああーきれいねえ」言う人。


暑くても、冷たいもの出す気のない人。花見たら「植物ですねえ」言う人。…そんなヤツはダメねえ(笑)


ほんとうにやさしい人。…それが少ないんですよ。それともうひとつ、ユーモアもてる人ね。それが少ないので、…寂しい。


そういう点で、キャメラ宮川一夫さんなんかは、毎日毎日、キレイなトコキレイなトコ狙ってらっしゃる人やから、…やさしい。ほんとそうですよ。そういう人やさしいですね。そういう人は、絵描きさんとかもみなやさしい。わたしはそういう人になってもらいたい。