Space Pirate Captain Herlock


録画したままの映画が溜まっている。早く観ないとなあ、と思いながらも、なぜか観ずに今夜も過ぎた。ご丁寧にレンタルショップからも借りてきていたりする。…一体いつ観るのか??


普段、漫画をまったく読まないのだが、今日は何となくブックオフの漫画が並んでいる棚を見ていて、松本零士の「宇宙海賊キャプテンハーロック」があったのでパラパラと見ていたら、相当真剣に読んでいたはるか昔の小学生の頃の記憶がありありと蘇って来てつい買ってしまった。


絵にすごく黒の割合が多くて、静謐で暗くて、話とか雰囲気も捉え難いような、抑揚のない、訳のわからない雰囲気の漫画である。でも今読んでもかなり不可解で面白いと思う。それにこの絵はほんとうにすごい。細かいメカニックの凄さは云うまでも無いが、アルカディア号と呼ばれる海賊船を擬した宇宙戦艦のデザインも実に気が効いてるし、登場人物たちもまったくバラバラな存在感が良い。皆が、ひとくちに「キャラ」として説明するのが難しいような性格を付与されている。とくにミーメが良い。


まだちゃんと読んでないうちに書くのもアレだが、アルカディア号という船が只の無機物ではなくて、何かしらの意志を持ってるというか、静かに呼吸しているというか、そういう気配が(非ドラマチックに)匂わされる。しかし物語の流れが全体の印象に与える効果は少なく、始終沈鬱でまるで喪に服しているかのような空気に満ちている。外来客がたまにやってくる時があるが、その登場に仕方も静かで、まるで驚きがない。…やはりこれは、今この現実とは違う時間と空間に所属している、例えば死後の世界みたいな、そういう時間上の出来事を描いているのか?