外は炎天下で、すさまじい勢いで光が溢れており、熱気で景色がかすかに揺らめいており、日傘を挿した白い半袖のやや小太りなおばさんが、灼熱の真っ白な路上をゆっくりと移動していくのを室内から見ている。窓を閉めると、あたり一面に響き渡っていたセミの鳴き声が遮断されて静寂になって、エアコンが必死に稼動して排水口から冷却された水がごぼごぼと排出される音しか聞こえず、冷たい飲み物が半分程度残っているグラスは猛烈に水滴をつけてテーブルを盛大に濡らしており、テレビをつけたら高校野球の中継の観客のワーワーいう歓声のざわめきと大人数でうたう応援歌の気の抜けたようなメロディとNHKアナウンサーの落ち着いた感じの実況の声と、キーン!と異常に高音な金属質の打撃音が聴こえてくる。みたいなのが夏だったような気がする。そういう感じのことが、これからあと一ヶ月かそこらで現実に起きるだろう。