音楽臭


部屋にあるデッキCDX-12でCDを再生し続けていると、底面とか背面がかなり熱くなっていて、内部回路が熱で半分溶けかかってるような、薄っすらと煙を上げそうな、なんともいえないような、ヤバイ感じの匂いがただよってくるので、それが、ものすごくいい匂いなのでくんくんと嗅ぎまくる。あーいい匂い。音響機器のいいところは熱をもつところだ。真空管とかあんな面倒くさいものに人気が集まるのも、要するに音楽が何か別のものに姿を変えてあらわれているかのようであるところに、惹かれるからであろう。それは、音楽の匂いであり、音楽のもつ熱なのだ。…しかし、それにしてもヤバイ匂いだ。これはそんなに長生きしてくれない機械なんだろうなあと、つくづく思わされる匂いだ。