Patti Smith


昨日に続いて今日も渋谷シアターNに行き「パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ」を観た。パティ・スミスをモティーフにして映像作品を作ろうとしたら、なるほどこういう風な作品になるのだろうというのは確かに納得がいく。全体がまるで夢の中のような、ドキュメンタリーでもなくイメージの繋ぎ合わせでもない、何とも掴み所の無い編集である。10年以上もの撮影期間を経て完成した作品だそうだが、たぶんパティ・スミスという人物についてある程度満足できるだけの何かをカメラが捉えきるのに、図らずも10年という時間が掛かってしまったのではないか、という感じもする。作品の中にそれだけの時間が流れている、という感じはあまり無いのだが、しかしそれだけの時間の堆積がなければおそらくこの作品の感触はこうではあり得なかったのだろう、とも思う。とはいえ、正直いうと、結構期待していたので、感想としては当初の気持ちよりはやや、まあこんなもんか、という感じ。すごく丁寧だし作り手の愛情みたいなものも感じられるのだが、でもパティ・スミスという人物はほんとうは、ここに映ってるよりもあと数倍くらいうつくしい人なんじゃないか?という思いも禁じえない。。まあ僕が勝手に期待を膨らませすぎてるところもあるのだが、でも僕はパティ・スミスをこの世界でもっとも美しい人物の一人だと思ってるところもあるので、そういう美しい人に出会うために、映画館に来てるという感じなので、まあ、悪くは無いけどなんか水で薄めて上手いことまとめられてしまった感じも無きにしも非ず、全体的にちょっと上手く出来すぎている感じかもしれない。でも途中挿入されるライブシーンはいずれもすごかった。Gloria、Rock'n Roll Nigger、My Generation…ステージのパティ・スミスのパフォーマンスを観てるだけで、もう座席の上に立ち上がりたくなるほど興奮・感動させられてしまう…もうなりふり構わずロックンローーーーッル!!と絶叫したくなります。やっぱりパティ・スミスは素晴らしい。パティ・スミスが素晴らしいのか、ロックン・ロールが素晴らしいのか、よくわからなくなってしまうような地点で、燦然と輝くかのように素晴らしい。