二千円札


一ヶ月以上前に注文したレコードが今日届いた。宅急便ですー。代引きなんですけどーと言われて、はいお願いしまーす、と言って玄関まで来てもらってから、うわ!しまった財布の中が空っぽだ!!と気づいて、かなり慌てた。でも慌てても無いものは無い。万事休す!と思ってふと目をやると、ジェッソ(という絵の具)の空になった容器の中に、1円とか10円とかの小銭がぎっしりと入ってるのがあって、それはふだん帰宅した後とかに、着替えるときにポケットとかに入ってる細かいのを、放り込んでおくためのものだが、その中には硬貨のほかにも、ちぎれて半分しかない千円札とか、飲み会のとき誰かが折り紙のようにしてワイシャツみたいな形に折ってプレゼントしてくれた(のだと思われる)千円とか、そういういわば、お金としての利用を保留にせざるを得ないようなものもいくつか入っていて、で、よくよく見ると、そこには数枚の二千円札もあったのだ。で、急遽それを数枚とあと小銭を幾らかで、見事に代金支払いを無事済ますことができたのだが、佐川のおじさんが「へー、二千円珍しいですねーなかなか見かけないですねー」と言うので「財布が空っぽだったので、とりあえず、これがあったんで払えました」と言った。でもこれでぼくが保持する二千円札はあと一枚となった。