会議


夜の11:30まで会議して結果すべて差し戻しになるんだからすごい。長い映画のラストでほとんど何も始まってない場所にまで戻ってきたときのようだ。というか、本当に映画じゃないの?というくらい、すべてが現実味を薄れさせたままの状態だ。終電のなくなりそうな人が先にそそくさと帰り支度をはじめ、まだ少しの余裕がある人は細かい箇所についてとめどもなく話しを続けている。でももう、そういうのが全部通り過ぎた後、ああまた何もかもやり直すんだなあ、さっきまでここに居た人々とか、あのときのあの感じとか、全部なかったことになるんだなあ、今、この瞬間に会議の結果がこんな風になってるなんて、先に退出した人々は想像もしてないだろうなあなどと、色々な考えがあぶくのように浮かんでは消える。なんというか、個人的な感情とかは完全に擦り切れているというか、喜びも怒りも悲しみもなく、ひたすら打ち続ける脈動と短めのリズムで続く呼吸だけがある。それをそのままで、引き続きまだ、この時間はどこまでも、明日もあさっても終わらないのだ。いやむしろこれが普通かも。こういう状態が終わってしまって「開放」される事態の方が、逆にありえない現実なのかも。