ことば


中学の時の同級生で、今でも1年に1回くらいメールのやり取りをする友人がいる。こちらからメールした事はたぶんほとんどない。たいてい向こうが泥酔していて、ほぼ深夜とか早朝とかにメールが来る。ほとんど互いの存在を確認する以上の意味は無いような、非常に無意味などうでもいい短いやり取りをして、じゃあ実家の方に戻ることがあったら連絡くれ、とかするよ、とかいうお決まりの文句で終わる。


その友人と実際に会ったのは、中学を卒業してからだと、次の機会が成人式で会った。で、その次が、僕が結婚直前の頃だから28才くらいの時に会った。たしかこのときは平日なのに朝まで飲んで、翌日の会社が地獄だった。その後は、たしか数年前にも1度会ってる、と思う…という事は、じつはたったそれだけしか会ってないのだ。今まで2回か3回しか会ってないのだ。


で、その友人から、一番最後にメールが来たのは今から確か半年ほど前か。「まだ絵は描いてますか?」とあったので「まだ描いてるけど迷走中です」と返事した。そう言わざるを得ない事に忸怩たる思いは僕にもあって、でも仕方が無く、そう書いた。しかし、それへの再返信として「迷走中なんて素晴らしいじゃないですか!どんどん迷走して下さい」とあった。なさけない話だが、今年一年の、とくに後半の僕を、最底辺のところでつよく支えてくれて、今も確かに作用しているのは、この言葉だったような気もしないでもない。