品川


山手線で西日暮里から品川まで移動する。進行方向右手側をずっと見ていると面白い。鶯谷から上野にかけて、谷中霊園が見えて科学博物館が見えて上野駅を過ぎてアメ横の喧騒が見えて、御徒町の古いビル群を過ぎるとあっという間に秋葉原になって、巨大な商業ビルを越えて安っぽいコンテンツ・パッケージの宣伝広告の羅列を過ぎるとじょじょに神田の下世話で猥雑な街並みへと変わる。やがてふたたび巨大な、かついささか古めかしい雰囲気の建物が立ち並び始めたかと思えば東京駅で、重厚な帝国ホテルを過ぎやがて夏の日差しをぎらりと反射する東京国際フォーラムの壁をみつめながら有楽町へと至り、喧騒のロータリーに設置された黒光りするペンキ仕立ての機関車の車体を見つめながら新橋を過ぎ、無色透明なビジネス街のやや新し目なビルが増えてきたとおもえば浜松町で、湿度をたっぷり含んだ白い空に高層ビルの上層階がかすむ田町を過ぎて、NTTデータの不気味なビルを見ながら巨大なターミナル駅の品川に到着する。


原美術館で「ウィリアム エグルストン:パリ−京都」、その後しながわ水族館でイルカショーとアシカショーを見る。アシカがあまり言うことを聞かなくて面白い。ビールのせいでだるくて眠い。しながわの魚はみんな異様に光っていてきれいでちょっと怖い。泳いでる魚と同じくらいの数のマクラーレンのベビーカーが渋滞していてそれも怖い。その後オイスターバーで牡蠣を食う。猛烈な勢いにて。短期集中型。30分足らずで牡蠣の殻をテーブルにうずたかく積みあげる。


帰りに上野のアメ横で洋服を少しみたけど何も買わず。上野は既に懐かしい。どの路地もよくわかっているのに、すべてが久しぶりなので、すべてがなつかしいようにしか思えない。