見ていた


こんなことなら、早く寝てしまった方が良かった。やれやれ、もうこんな時間。と、嘆きながらも、こうして書く気になった。これだけでずいぶん違う。お後がよろしいようで。帰りしなにそう言い残した。ようやく一日に、かすかなまとまりが感じられる思いだった。あたかも最初から、ここへたどり着くことを決めていたかのような振る舞いだった。よせよ人が悪い。そう言って思わず、相好を崩した。おどけた様子で近づいてきたその小脇を肘で小突いた。白い歯を剥き出しにして大笑いしながら、ふたつの目だけ大きく見開いて、じっとこちらを見ていた。