たぶん今日が一番寒かった。朝も夜もものすごかった。歩いていて、顔がやばいと思うことなんてめったにない。耳あてとか、そういう防寒具はほしいと思うことなど、めったにない。路面もところどころ真っ白に凍っていて、歩くのもやや慎重を要する。朝の駅へ向かう人々の歩みもプラットホームに入ってくる電車の動きも寒気のなかで静かな怒りを含んでいるかのようにみえる。