忙しい忙


毎日飽きもせず忙しい忙しいをくりかえしているが、なにしろ今月は、自分のこれまでの数十年にわたるささやかな会社員人生においても、前例なき比類なきまさに驚愕すべき忙しさであると言って過言ではない。これはもう通常なら断じてありえないような、観測史上最強最悪の忙しさの犠牲者数を日々更新している状態と言って過言ではない。ザーザーと降るような忙しさ。どしゃ降りの忙しさ。バケツをひっくり返したような忙しさ。滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)忙しさ。息苦しくなるような圧迫感がある、恐怖を感ずるような忙しさだ。傘は全く役に立たなくなる忙しさである。寝ている人の半数くらいが雨に気がつくほどの忙しさである。地面一面に水たまりができるほどの忙しさであり、車の運転は危険な忙しさで、ワイパーを速くしても見づらい忙しさである。この程度の雨でも長く続く時は注意が必要な忙しさで、マンホールから水が噴出する忙しさである。水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなるのである。もちろんこれより大きな被害が発生したり、逆に小さな被害にとどまる場合もある。しかし、今までこんな異常気象は経験したこと無いとか、こんな暑いのはおかしいとか、こんな寒いのは狂ってるとか、たしかに昔はそうじゃなかったと言えばそうなのかもしれないけど、でも毎回そんなこと言ってると、じゃあどんな天気ならお前はおおむね納得なの?と問い返したくなる部分もあるというものだ。でも、そんなこと言ったって、やっぱりおかしいのはおかしいじゃないですか、とつぶやいて、まあ、たしかにそうだね。みたいな。まあ、たしかにそんな異なる意見も飛び交う混乱の情勢であり、その意味でもまさに未曾有と言って過言ではない。過言ではないという言い方が過言ではなかったためしは無い。