紫の煙


よく飲食いした週だった。とくに木、金は串揚げ、ホルモンと、ふだん行かないジャンルの店に行って、しかし揚げ物、焼き物というのはやはりすごいものだと思う。串揚げ屋は今風のキレイな感じで、値段が安いからなのか自分で揚げるシステムが受けてるからなのか知らないけど、客で高校生とかもいっぱいいるので驚いた。ソフトドリンクで串揚げを食いに来ているのだ。なるほどたしかにこれこそ、若者の好きな食べ物かもな、と思う。しかし小麦粉とパン粉あるいは天ぷら粉でものを揚げる調理方法のすばらしさ。油分と蒸し焼きになった生ものとの組み合わせ。そもそも白く薄っすらとした煙とともに熱された黄金色の油の放つあの芳香は…。でも串揚げはともかくホルモン屋はさすがに高校生は居ないがおっさんも少ない。やはり若い人が多い。ホルモン。要するに油を食って炭酸の酒で流してまた油を食ってのパターンのくりかえし。それでも炭焼きの香ばしさがあるから、肉を焼くこと自体の感興もあって簡単には飽きない。それで結果、串揚げもそうだけどとりあえず、まあとにかく着ている衣服がどうしようもないくらい猛烈な臭気を帯びる。これは仕方のないことで受容しなければいけない。それにしても、内蔵たちである。目の前で、焼いてると、油が滴って、時折猛烈に炎があがる。こんなまとまった量の炎を、目の前で見れる機会って、今、ホルモン屋だけかもな、などと思う。でも網の上に炎が立ち上がったそのままにしとくと、すぐ店員が来て、店が煙で真っ白になるからか危険だからか知らないが、早く氷を置いて消せとうるさく言われる。