金曜神代


黒薔薇昇天をDVDで。よくわからない海沿いの岩盤上にビヤガーデンみたいなパラソルを立てて、そこで昼食をとるシーンを始めとして、大阪のどこかの街並みや、映画機材ぎっしりの自室や、遊園地の頼りなく揺れるゴンドラや、川上に突き出したような貸船屋の小屋などなど、超絶魅力的な景色がとめどもなく出てくる。岸田森、最高。痩身で、シャツの襟がでかい。マジでかっこいい。赤い日傘を挿して歩く芹明香。素晴らしい。動物園で、後景を動物がうろうろして、その前を幼稚園児がぞろぞろ歩いている前で、男女がだらだら、べたべたと芸術だの何だの吹きながら体をべたべた触りながら徘徊するシーンとか、得体のしれぬ感動を味わう。なんなのか、この心身の安楽、安心感、ばかな子供が嬉しくてそわそわとこれからの出来事すべてを期待しているような単純な幸福さは。