Up from the Skies


一昨日散歩の途中で立ち寄った柳原千草園、万両だ、水仙だ、と植物たちを見下ろしながらふらふらうろついていると、草花の向こう側にぽつんと猫がいて、あ、猫だ、あ、あれも猫だ、となる。こうしてみると猫も、まるで咲いてるみたいだ。地蔵のようにじっと動かず目を閉じて瞑想している。園内のそこらじゅうにたくさん植わっていた。


もう花を咲かせている梅もあるが、蝋梅はまだ全然だった。家から駅まで行く途中にある家の庭にも蝋梅があって、これもまだだが、つぼみは少しずつふくらみ始めている。立ち止まって、息を吸ってみると、さすがにまだ何の香りもない。香るほど咲いてないからか、寒さが厳しすぎて自分の嗅覚がはっきりしないからか。しかし意外と、立ち去ろうとして二三歩歩きはじめたとき、ふと香ったりすることもあるのが蝋梅である。今はまだだ。再来週か、そのくらいかしら。


昨晩は「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」をDVDで。楽しくなくて、終わったら溜息が出た。こういう話、全然興味持てないんだよなあ、というわりには最後まで観てしまって、そのことも含めて、はーっ…となる。


本日は、一日中薄暗い曇天に覆われていたが、午後を過ぎてから晴れ始めた。買い物に出た帰りに、水色の空にかすかな夕日の色にそまった雲が二筋か三筋連なっていて、空の色も雲の色も、ちょっとひどいというか、安物の水彩絵の具を子供がいい加減に水で溶いてべたべたと塗り付けたような感じになっていて、キレイと言えばキレイ、とも言えるかもしれないが、いや、やはりこれはひどい、軽薄きわまりない、風呂屋のペンキ絵みたいな、この空は、我が住まいの地域頭上だけで発生しているだけのことなのかあるいは東京全体が今日はこのありさまなのか、いずれにせよひどいものだねとあきれた。