高所


今日もまた堀切橋を渡ったのだが、やはり僕は高所が恐ろしい。足がすくむとか、近づきもしないとか、そこまで行くほど重症というわけではなくて、まあ、一応ふつうの態度はキープできるけれども、内心はかなり動揺している。高所というのは、怖いながらも景色としてはやはりキレイだと思うし、写真を撮りたいとかも思うのだが、立ち止まって柵よりも向こうに腕を伸ばしてiPhoneのシャッターを押すときの身体のすくみ方と心の動揺はかなり酷い。そういうときに冗談で急に背中を押されたりしたら、たぶん本気で激怒するし、もしかしたら暴力を振るいかねない。そのくらいマインド的には非常事態である。今日は川沿いをずっと歩いて、いったん橋の下をくぐってから、土手の上に上がって、橋の方へ戻って渡るという道のりだったので、橋を見上げたときに思ったよりも全然低いというのがわかって、なんだこんなもんかと拍子抜けしたのだが、それでも橋の上から見下ろすと、さっきまでの印象はいったい何だったのかと思うほどの、目もくらむような高さに感じられる。高さは実に不思議。プールの飛び込み台とかでも、やはり同じように感じるものだ。


しかしなぜ、これほど怖いのか。そもそも僕は、昔はこれほどまでに高所を怖がらなかったと思う。むしろ平気な方だったように思うのだが、いったいいつからこうなった。飛行機もそうだ。いつから怖いと思うようになったのか。昔よりも、死を恐れているとか、そういうことではないと思う。そういうこととはまた別の生理反応という感じに思われる。


それにしても、沈丁花の香りが春の訪れを感じさせますねえ。