ビート

暗い空。昨日とはうって変わって肌寒い曇天。十二月だからこれで本来に近いはずだが、「今日の天気はどうなってるのか」と、つい思ってしまう。寒いから夕食は鍋物で、と安直に決めて買い物に出ただけ、の一日。スーパーに行く途中の中学校から、いつものような吹奏楽のアンサンブルではなくドラムの練習音だけが聞こえてきた。たどたどしいエイトビートで、一応リズムはキープできているけどオカズがぜんぜん上手く入らない。それでもドラムの音には目を覚まさせるような力があって、こんな田舎の中学校の片隅から、唐突にも世界の共通言語がグルーヴのかたちであらわれようとしてもがいているのを、つい耳を澄まして聴いてしまう。