ソールが壊れた靴を捨てないで修理すればよかったと今になって後悔している。あれ以来何度も靴屋を見ているが、買いたくなる靴がまったくない。こんなことなら、靴一足分の金を払ってでも修理した方がよかった。今日も色々見たけれども、結局何も買わずに帰ってきた。完全に時間の無駄。御徒町の吉池で、あおさを三袋とわさびを一つ買う。これを買うためだけに大手町・上野と徘徊していたようなものだ。最寄り駅の駅前のもつ焼き屋で何串かお持ち帰りで包んでもらう。それを待ちながらビールを飲んでいて、ビールのジョッキを冷凍庫で凍らせておくのは勘弁だな、こんなベタベタに濡れたのを喜ぶやつがいるのかと思うが、それはまあどうでもいいけどこの店、歩道に面した側がなぜか全面ガラス張りなので、座って外を見ていると、すぐ近くの歩道を歩いている人々の姿にかなり臨場感があるというか、座っている自分のすぐ脇を、全然別の目的、別の考えの人間が、次から次へとどんどん通り過ぎていったり横断歩道で信号待ちしていたり、それを間近で座って見ているのがとても楽しい。例えるなら水族館で水槽のすぐ向こうの魚を顔を近づけて見ているのと近い。ただしガラスの中程の高さで半透明のシートが帯状に貼ってあるので、そのおかげで我々からは外を歩く人々の丁度顔のあたりだけ遮られて見えないし、おそらく外からも座っている店内の我々の上半身あたりを見る視界が遮られるような感じになっている。このシートがなければ、外も中もさすがにあまりにも剥き出しすぎて落ち着かないだろうとは思うが、それもそれで楽しそうだし、そういう店がないものかとも思う。