CROSSING


六本木ヒルズアリーナでceroのアルバム発売記念フリーライブ「CROSSING」へ。会場でステージ前の群集に混じる。数日前にアルバムをはじめて聴いて、なんだか鬱蒼とした感じ、雑多でザワついた感じ、打楽器系がより豪華になって、前作比でポリリズム度トライバル度高めでアーバン度やや低めで、あとボーカルがちょっと単調かも、とか、そんな感じの印象だったけれども、このライブは観れて良かった。前も書いたけれども、ライブだと何をやっているのかが直にわかって音の必然性とか狙いとかもダイレクトに伝わってくるので、今回のアルバムの印象も自分の中で大きく刷新されたし、今後も繰り返し聴くことになりそうだ。けして熱過ぎないが内向きにもならないしなやかなグルーヴが維持されていて、高度でパワフルなのに引いてしまうことも遠くの出来事に思えてしまうこともなく親しみやすい。前作からのまっとうで正当な進化という感じだ。ライブだと、ボーカルはたいへん素晴らしかった。女性二人によるコーラスがとても分厚くて独特な風味になってる。取っつき辛いかもしれないが複雑で魅力的なメロディを持っている曲、パーカッションもすごくいい。パーカッションというのは、ライブだと在ると無いとでは大違いというか、在ったときにこれほど強く訴えかけてくる楽器もないと思った。その打音もドラム変拍子もざわつくようなノイズSEもすべて含みこんで、ある種の貫禄を感じさせられた。