デジタル・ロック

デヴィッド・ボウイの1997年作品「Earthling」を聴いたら、思わずあっけにとられるほど、まごうこと無き90年代デジタル・ロック・サウンドで、そうだったのかな、当時はみんな、こんな感じだったかもしれないなと、懐かしいような呆れたような複雑な気分になった。そのあとさらに勢いにのってプロディジーの「Music for the Jilted Generation」から適当に何曲か再生する。とにかく「ブン回す」というか、物理的に引きずり回すというか、プログラムで裏打ちした暴力衝動の感触を生かしてそのまま仕上げました…という感じ。機械まかせのループ感そのもの。こんな忙しない時代だったのかなあ…と思う。プロディジーは"Firestarter"リリースの頃が自分にとってのピークで、翌年それを収録したアルバムがリリースされた頃には、すでにすっかりこころ離れていたはず。"Firestarter"はUnderWorldやChemicalBrosらとともにプレイ・ステーションの「WipeOut XL」のBGMに収録されていたので、それを聴きながらゲームをするのが、当時はとにかく恍惚きわまりなかった。あれこそが自分の90年代と言ってもいいかも。