混んでる


電車が駅に着いて、自分の立っている側の方のドアが開いたので、余計に人がたくさん乗ってきた。少ししか降りないのに、その何倍も乗ってくる。車両の奥まで押し込まれた。人同士ひしめき合いながら、つり革につかまって耐える。僕も周りも黙って我慢している。近くの人同士は視線を合わさない。ときおり思い出したようにぐっと上を見上げて、左右をきょろきょろとして、次に開くドアの方や隣の車両の方を見る。それでむしろ、遠くにいる人々らと目が合うことの方が多い。