シテール島への船出


 先週の週末に北千住で「シテール島への船出」を見て、今も思い出すのは、シトロエンの車体。雨天。雨の降る海。水面に雨の波紋。エンジンがスクリューを回す音。スクリューで湧き立つ水面。タグボートの周囲にぶらさがっている黒いタイヤ。

 あまりな芝居っぽさ、これみよがしな虚構性。とくに後半が、なんだか笑ってしまうような展開。どしゃぶりの中、カフェと設営されたステージとの間でバンドの演奏やら手品やら歌やら踊りやらの一連のシーン。そうそう、これを観に来たのだという思いと、いやぁそれにしても…という思いと。