上野の博物館をとくに目的もなく本館、平成館、東洋館と適当にふらふらと観る。宗教で儀式や祈りのときに使う(のだと思われる)色々な器具を見てると楽しい。普通は、うつわでも、太刀でも、衣類でも、装飾品でも、大体、昔の人が使って、誰かにあげたとか、それで戦争したとか、ある程度はっきりわかるけど、そういう大きな目的に向かっていた時代だろうなと思うのは良しとして。宗教的儀式に使う、なんとも説明し辛い、なんだかかよくわかんない何かを観る。しばらく考えて、ああこれは実用ではなく、また別の目的で使うのだなと思う。目的のはっきりしない、古代のものはおもしろい。考古学的には、この時代にこうして浸かっていた、ということはその範囲内でわかり、しかしそれを外れると、なぜこんなかたちなのか、これをどうやって儀式に使用して、それを何に対する贈り物だと思っていたのか、その原初なところをわかりようがなく、解説を読んでも既に空言の他人事である。