川の流れ

待ち合わた友人と我々夫婦の三人で上野の森美術館フェルメール展」へ。最初の部屋でフランス・ハリスの(あまり大したことない)作品が二点ほどあって、ああ、17Cオランダ画家の絵なんて久しぶりー…とか思っていたのは最初だけで、以降ちょっと絵を観るというレベルじゃない感じだったので、人間で出来た「川の流れ」から早々に離脱してそそくさと退場し、夜空を見上げつつ御徒町のお店に移動。

数年ぶりに会った本日の会食相手は僕の小学生時代からの同級生で、妻とは大学時代の同級生で、その歳月をよくよく考えるとおそろしいことである。話題はひたすら健康、夫婦間、あの人は今など、中年世代の王道を中心に、自分らがすでに固有の自分らじゃない何がしかの一般化された存在に否応なく似てしまっていることを、こうして話しながら確かめあうようなものである。いやだねえ、みとめたくないものだな、どうあがいてもあやまちにならない、もはや「川の流れ」からは離脱できないことを。