パリで一緒に

パリで一緒に」(リチャード・クワイン)を観る。この映画撮影時のオードリー・ヘプバーンは33~4歳、ウィリアム・ホールデンは44~5歳らしい。恋愛コメディの体裁で、二人の掛け合い漫才じみたやり取りが楽しいということなのだろうけど、全体的にちょっと痛々しいというか、ウィリアム・ホールデンはカッコいいと思う人もいるだろうけど、やはり中年っぽさばかりがすさまじい濃度に思われて、最初から最後までずーっと異常なハイテンションで動き回っていて、体力がありあまってる感じで、色々なセットを背景にして色々なコスチュームを着ておじさんに引きずり回されているオードリー・ヘプバーンが、自分に似合わないことを無理して一生懸命やっている感じにみえてしまうのが観ていて少しつらい。とはいえ大スターの二人が、いかにもな企画の映画で、いかにもな役を演じているときの、独特の感じが漂っていて、しかしこれはこれで往年の映画っぽさかもしれないのだなと思う。