上野公園の桜


 


はっと気づいて、腕をまくって二の腕の様子を見て、そのあと下腹部をまさぐり、慌ててシャツを脱ぎ捨てて上半身裸になって、大きな鏡の前で改めて自分の肩や胸や脇の下や横っ腹から背中にかけてくまなく観察したら、自分の体表面すべての箇所に満遍なく、大小さまざまに赤やピンクにぽつぽつと、なりふり構わず咲き乱れて折り重なってところどころ高低差を作りつつ、すべての地平をお構いなしに縦横無尽に駆け巡って、複雑なだんだらの迷彩地形図を描き出していて、熟れたイボイボやブチュブチュがたくさんたくさん、体中を覆い尽くす程の勢いでもう手の施しようがないほど広範囲に広がってしまって、絶望的なまでの勢いで桜が咲き乱れていたので、妻に向かって「うわー!!!咲いてるよーー!!」と絶叫した。(そしたら妻は僕の足下にブルーシートを敷いて場所取り中だった)