ダメだね。明日は水泳に行こう。何とか頑張って、行くことにしよう。酒をのむことと、水泳することは、これはまさに、本当に正反対のことだな。身体が、そう思っているのだ。酒をのんだあとの身体はもう、身体の内側から、ああ、もうぎっしりと、これでいっぱいだという感じになっていて、それはそれでいいのだけど、水泳したあとの身体は、これはどうかというと、身体の内側は、はっきりと秋風がふくのだ。空虚な、からっぽのなかを、冷たくもないしぬるくもない、なんでもない風がふくのだ。虚しい、という言葉は、おそらくこういうときの感じを表現するためにある言葉だ。決して嫌なものではない。むしろ、とても快適だ。虚しさというものほど、幸福に近いものはないかもしれない。とにかく、すごくいい感じなのだ。


でも、だったら毎日水泳すればいいじゃないか、と、そう思うのだが、それで去年あたりは実際に、それに近いくらいの勢いで、連日水泳に通っていた時期もあったのだが、でももう、最近はダメだね。面倒くさくてかなわない。行く気がしないんだよね。そんなのいいよ、あーもう帰ろう、とか思っちゃう。それですっかり水泳もしなくなった。


でも、やっぱりまた行こうかな、と思ってるんだけどね。