二十五歳のときの自分が、十八歳のときの自分に会った。後で十一歳のときの自分も合流した。お互いに、あまり打ち解けない雰囲気だ。なぜなら、皆それぞれ内向的で、気安く人に話しかけられるような性格ではないからだ。唯一、十一歳の頃の自分はまだそれほど世間に対して抵抗感を感じていなかったので、沈鬱なムードの中でこんな話を披露した。


髪の多い、黒くて長い髪が、ぼわーっと多く、肩の下まで伸びていて、化粧も白い粉をばたばたと顔にはたいたような、かなり大雑把でいい加減な感じを醸し出している女だ。そんな女が、背中合わせに座っている。公園で、芝生の上に寝転んで過ごそうとして、ピクニックシートを持参して来たのだ。事前にわざわざコンビニでジュースとかビールとか、菓子とか食い物を買って、白いビニール袋を指にぶら下げて、ふたりで公園で並んで、芝生の上を歩いて、どのへんにピクニックシートを敷くかを、あたりを見回しながら探している。これはもう、なにがしたいのか、我ながら全然わからない。まったくわからない。


それは普通に魅力的な計画に思えた。でも、そのことを話したら「なるほど、金に目がくらんだってことだね。」と、あっさり言われて、僕としては結構傷ついた。そうか、それは金目当てだったのか。だしかにそうだったのかもしれない。そうだったのかもしれないな。やっぱりこの人は、なかなか良いことを言ってくれる人だ、と思った。