夕方五時ごろ、少しだけ夕焼けが。前見たときほどではないが、それでも鮮やかな色彩が、唐突に空の一部を染めていた。ベランダに出て、写真を撮ったりもしたけど、でも夕焼けってやっぱり視覚的というより体感的なものだなと思う。自分を含む全体が色につつまれるから夕焼けなので、空の色だけの問題ではないんだなと思う。そのオレンジ色の独特な感じ。ありえないような、あなたやわたし皆に降り注いで、体内までその色に染まったみたいな、雨のように降る色。


昨日もそうだったけど、西日に少しずつ季節の変化があらわれている。沈む手前の太陽の光が、ほぼ真横から物体のように目にとどく。前方の何をみてもその光が目に入るが、眩しいというよりも目にうっとうしいと思う程度だが、以前よりももっと真っ直ぐにやわらかく、すっと届く。


子供の自転車が大きく旋回して遠ざかる。犬が振り向きながら自分を追い越す。


春菊が高かった。