フォークロック


The Byrds=フォークロック、という公式は妥当だろうが、フォークロックが好きだからThe Byrdsを聴いているわけではない。というか、The Byrdsがフォークロックの中にカテゴライズされるのではなくて、フォークロックがThe Byrds的な何かを元々含有していたと考えるべきだ。というかそもそも、The Byrdsはフォークロックの創始者とも言えるわけだから、フォークロックがThe Byrds的な何かであるのは当然かもしれない。しかし僕が感じているのは、The Byrdsがフォークロックとして凄いということではなく、The Byrdsが凄い。でもThe Byrdsがフォークロックだというなら、フォークロックも凄いのかもしれない。でもフォークロックがThe Byrdsのように凄いのだとするならば、フォークロックはほとんど、まるでフォークロック以外のジャンルのように凄い、と言わなければいけないことになる。


というか、まあ、要するにコルトレーン的なインド風モード奏法とフォークロックが、なぜこれほど親和性が高かったのか、という話に、簡単に落ち着くような気がしてきた。そうなの。だから、12弦ギターでアルペジオしながら、ずっとインプロヴィゼーションできてしまうという、あのやや歪んだリッケンバッカーの音を聴いていると、もうその気配が濃厚に立ち込めてしまうのは、なるほどそういうわけなのかと一人で合点した。


たぶん僕にとってのサイケデリックロックの筆頭はThe Byrdsで、サイケデリックロック=フォークロックということになる。もちろんカントリーとかも入ってくる。「It Won't Be Wrong」のイントロだけで、もう、その事で身体がいっぱいになってしまうほどだ。


じゃあ、サイケデリックロックとは何?となると、わからない。フリージャズ的世界とは違うはず。たぶん既にこの世からもう滅びてしまった何かだと思うのだが、Public Image Ltd.の「Paris In The Spring」とかには、濃厚に香っているようにも思うのだが。