漂流教室


先日から、楳図かずおの「漂流教室」を読んでいる。たぶん、小学生のときに読んで以来である。小学生のときに、父親の実家である三重県の港町の、親戚の集まる家の屋根裏部屋に潜り込んで、埃まみれの本を次々と読んでいたような、薄っすらとした記憶がある。もう三十五年前とか、そのくらい昔の記憶ということになるが、それでも「翔」や「翔の母親」や、そして「関谷」のことは、はっきりとおぼえているのだから子供の記憶というのはすごい。何十年ぶりかで、物語の中で「関谷」と再会。「関谷」が、倒れた子供の手の甲にモップの柄を突き立てるシーンのことを、今まで一度も忘れた事は無かったとさえ言いたい。さらに続きを読む。照明を絞った暗い部屋で、暗澹たる気持ちのまま、ひたすら進むだけ。