山や川や海など自然のうつくしさを高解像度で撮影したNHKのテレビを見ていて、たしかにすごくきれいなんだけど、なんだろうこの妙に浮ついたような、ハイになって戻ってこないような、この抑制をうしなったナルシスティックな自己陶酔感は…と思う。なんとなく宗教団体のつくったPR映像で勧誘されているような気分になってくる。

自然の王とか、海の聖人とか、つまり僕も、わかりやすいキラキラしたイメージにわりあいコロッと騙されてしまうような人間なのではないか、ある種の反発は自分への警戒でもある。

自然の王とか、海の聖人は、イメージ一発でこれです、とやってはダメで、興ざめなほど何度でもくりかえしくりかえし現れないといけない、ということを「蝿の王」浜村龍造から学ぶ。