久々に悪夢を見て、恐怖で「わーー!!」と叫んで目覚めるというヤツをやってしまった。「どうしたの??」と妻があわてるのは最初だけで、ああまたいつものヤツかと悟ると、どんな夢だったのか、何が怖かったのかと何度も尋ねられて、こちらは答えないで無視、というか答えたくてもその感触を表現できない、まだ明け方なので再び眠る。これは僕の場合たまに(年に1~2回くらい?)ある。我が家においてはわりと恒例化している。
まあ、たぶん簡単に言えば、幽霊というか、お化けの夢である。お化けが怖くて叫んで目を覚ますのか?と問われたら、そうだと答えるしかない。お化けが怖くて飛び起きて、はあ…なんだ夢か、だなんて、いい年して恥ずかしくないのか?と言われそうだが、だったらそういう君は、実際にお化けと向かい合ったことがあるのか、そのとき冷静にしていられる自信があるのか!と言い返したい。いや、実際にって…それ夢なんでしょ?と言うなら、君は思わず叫び声を上げてしまうような危機的で絶望的な状況にあって、それが夢かもしれない可能性を考慮できるだけの心の余裕があると自信をもって言えるのか!と、要するにさっきからこちらは口を酸っぱくして何度も同じ話をしてんのにわかんないのか!!と言いたい。
結局、お化けが出るとき、その瞬間というのは、ほぼ死の瞬間と見分けが付かないのである。だからその直前は、いつも絶望的なものである。まさかそんな、と思って、そのまさかが、目の前にあらわれるのだ。冗談抜きで、実際に死が押し寄せてくるというのは、こういうことなのだと思っている、たぶんね。
しかし、それで目覚めて、肩でぜいぜい息をしている僕を見て、妻はいつも笑ってるのであった。