平日は朝から仕事に出掛けて夜に帰ってくる生活なので、休みの日は予定もなければ一日家にいて、本を読んだりウェブを見たりテレビを見たり映画を観たりするが、何をするにせよ休みの日は一日のうち、今が何時で、それが気付けばもう何時になっていて、午後が過ぎて夜が近付いてきてという流れが、昔ほど「休みが終わってしまう…」というつまらなさを感じたりすることもあまりなく、まあ平日は平日で休日は休日だし、どちらもと留めようがなく過ぎてしまうからという割り切りの方が強くなった気もする昨今だが、しかし休日にずっと読書しているときの時間の流れ方には、未だにふと虚をつかれたような不思議な思いに駆られるときもある。なにか、とりとめがない。その本が、どうがんばっても今日中に読み終わらなくて、それどころか読むのが遅い自分にとっては今日を含む以降の何十日もが費やされるだろうから、どうせ明日の通勤電車の中でも読み続けるのだから、昨日までもたった今も流れの一つだというとき、そういえばそもそも何の手触りが気になっていたんだったかと、さっき気付いたはずのことを思い出そうとしたり、別の本をぱらぱらとめくってみたり、少々落ち着きなく幾つかの本を渡り歩いたりもして、今自分がどこで何を気にしているのかを一旦洗い出したく思って、しかし休日であるからそんなうちに時間は過ぎていって、さて今日は何を読んでいたのだったか、何もおぼえてないという空の記憶だけ残ったりすることも多い。