老成者

学生時代、同級生を見渡せば、年の差などほとんど無いにもかかわらずそこには様々なタイプがいたと思う。すごく幼く見える人や、大人びた人や、ほとんど老成した仙人みたいな雰囲気を纏ってるような人さえいたように思う。この、若者でありながら老成した仙人のように見える、そんな存在こそまさに若者的存在だと思う。その人の実際がどうかというよりも、若者である自分にはそう見えてしまうし、若い人同士の誰からもそう思われてしまう。そう思われてしまうのだから、同級生の枠のなかに限ってその男は実際に老成した仙人のようなやつなのだ。しかし少なくとも今の自分がその若者を見ても、老成した仙人のようには見えないのだろう。限定された世界の中でそんな風に存在できてしまえるところが、いかにも若者的だし、若者だけに許された時間と環境がそれを実現してくれるというところもあるだろう。