ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z

今回の第15弾は高野山詣の入り口である和歌山県の高野口駅をスタートし、チェックポイントである賢島、湯の峰温泉を経由し3泊4日でゴールである紀伊半島の最南端、潮岬を目指します。旅の途中には世界遺産熊野古道熊野三山。そして人気の観光地・伊勢志摩など絶景や旬の美味しい物も盛り沢山!

しかし!バスが無い!?宿が無い!?過酷な歩き…超絶トラブルが連発…難攻不落の紀伊半島に大苦戦の連続!

今回のルートは…和歌山県高野山から熊野古道

バス旅の厳しい洗礼が3人を待ち受ける!数々の試練を乗り越えて、ゴールに辿り着けるのか?ハプニング必至!3泊4日のアポなし珍道中をお楽しみください!

ぼけっと、つい何時間もテレビを見てしまった。ちょっとリアリティショー的要素のある旅番組。事前調査や予約はなしで、その場で路線図や時刻表を調べるか、窓口や乗務員に聞いて、路線バスと徒歩だけで目的地を目指す。電車やタクシーは使えない。田中要次羽田圭介鈴木杏樹という、もともと接点無さそうな三人が、結果的には運まかせというか行き当たりばったりと変わらないような行動を強いられて、長い待ち時間や迂回や徒歩移動や悪天候で体力も精神力も削られて、社交や愛想がじょじょに不機嫌さに浸食され、和やかさも消えて互いに無表情で押し黙ったまま、しかし目的地を目指すことは止められないという展開。最後はにっちもさっちも行かなくなって道半ばにしてリタイヤで終わり。そんな結末アリかと呆気にとられた。

地方の路線バスの時刻表で、一時間に一本かそれ以下の頻度は珍しくないはず。ほとんど日の暮れた暗い路肩の片隅でそんな時刻表を見てるときに突き付けられる、おそろしく容赦のない現実の手触り。旅愁や寂寞感ではなく、自身にはっきりと敵対してくるような、殺伐として荒んだ何かの手触り。道を聞けば人々は誰もが親切だし、問合せた理由や目的をよく理解してくれるし、労を惜しまず出来る限りの手助けをしてくれるけど、そんなふうに人から許容されるからこそ感じてしまう疎外感というものがある。この世界で自分ひとりだけが愚かな存在であることを痛感し、そのかなしみを自らの呼吸として吸って吐いてる、その刹那を我が事であるかのように見ていた。