終わりの季節


Lust


このアルバムではじめてこの曲を知り(感動)、youtube矢野顕子細野晴臣のデュエットを始めて視聴し(感動)、


HOSONO HOUSE


このアルバムを入手して、そのいずれも今に至るまで何度となく聴いている。

普段、歌の歌詞など、ほとんど気にしないのだが、この曲の詩だけには、もう、前からずっと心を奪われたままだ。

全体に、何が起こっているのか判然とはしないけど、多分誰かが立ち去った後で、朝を迎えつつある部屋がうっすらと暗いブルーに染まっていく感じ。

この、早朝の、まどろみとけだるさと寂寞が一体となってる感じ。朝の光の屈託の無い明るさの残酷さ。その瞬間の記憶が一気に蘇ってきて、恐ろしく甘い感傷が溢れ、呆然としてしまう。(それは恋人とか特定の誰かと別れた。とかいう具体的な経験とは別に存在する、不意に襲い掛かるとても根源的な孤独感だ。)


この曲が細野晴臣によって作られたのは埼玉県狭山市の米軍ハウス居住中の1970年はじめ頃の事。

同じ頃、僕は三重県に生まれ、その後、我が両親は1972年頃に、まだ生まれたばかりの僕と、埼玉県狭山市の貸家にて新たな生活を始めたのだ。

それが何?と言われれば、まあ何でも無いんですが、この曲が、当時の、(僕が体験してきた)狭山市の空気を1成分として作られていることが、やはり少し、僕にとってこの曲をより一層特別なものにしている。