エンド・テーマ「銀河鉄道の夜」細野晴臣

1985年リリースの細野晴臣銀河鉄道の夜」が特別版として未発表音源を追加して再発されたのを聴く。

https://www.cinra.net/news/20181107-hosonoharuomi

リリースされた別テイクの曲群にはとくにあらたな驚きはなかったけれども、やはりこのアルバムはとても愛着深い。宮沢賢治の作品をアニメ映画化して、それに音楽を付けるって、ものすごい覚悟がいる仕事ではないかと思うのだが、それを見事にやってのけた、というか、こんな映画が可能なのかと、少なくとも当時中学生だった自分にとっては、この映画は突然の落雷のような衝撃をもたらした作品であった。(すごく原作に忠実に作られている、その丹念さは今観ても感じられるのではないかと思う。)…1985年、たしか新宿三丁目あたりの映画館だったと思うが、見終わって、茫然自失で建物を出て、昼間の明るい光の下を、悲しいのか嬉しいのかまったくわからない混乱状態のまま、一人で西武新宿駅まで歩いたことを今でも思い出す。それからしばらくの間、一度でいいから再びあの映画を観たいと思って、しかし当時の自分には映画再見もサントラ入手も適わなかったのだが、たしか翌年だかに修学旅行で東北を巡る旅があって、行く先の一つに花巻の宮沢賢治記念館があって、訪れたその館内ロビーのテレビモニターに、かの作品が上映されていて、ちょうどエンディングのシーンでクレジットがスクロールしており細野晴臣によるあの独特のテーマ曲が鳴り響いているのが聴こえてきたときには言葉を失った。…あれは本当に「その場の誰とも共有できないけど感激の思い」の、自分にとっていちばん初期の頃の記憶だろう。

 

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