荷風


en-taxiという雑誌の特集が永井荷風で、それを読んでたらいきなり自分の中で盛り上がってしまって、本棚からふらんす物語だの墨東綺譚だの断腸亭日乗だのを引っ張り出してきた。(どれも持ってるくせにマトモに読んでなかったので)数日前からまさにハシカに掛かったかのようなにわか荷風ファンである。でもまあ永井荷風ほど、残された「作品」とは別に伝説めいて存在する人物の「武勇伝」的なところとかが魅力的な作家も珍しいだろうし、そういう部分である意味盛り上がりやすいのだろうとは思う。(ギミッキーな仕草が好奇心をそそるという点でジミヘンに似てるかも。)でもまあそれでも、読み始めるきっかけになればまあ、なんでも良いのであるが。…しかし、こんな風にふらふらと簡単に興味が移りまくってるので読みかけの本ばかりが溜まっていく。でもそれらの読みかけの本たちを眺めてると、ここ数ヶ月の興味の移り変わりの過程が、今のところはまだかろうじて辿れるくらいの、うっすらとしたリンクの線が見えてはいるようにも感じるのだが、おそらくこのままで行くと、さらに数ヶ月もしたら、なぜそれらを読もうとしてたのかがまったくわからなくなって、何の脈絡もなくいろんな読みかけの本が錯乱してるだけみたいな状況になるかもしれない。…とか何とか書いてる割には、でも最近は日中、空いてる時間に本を開いているかというとそうでもなくて、何もせずぼーっとしてる事が多い。結局「何も読んでない」時間が多い感じ。というか、空気がだらしないほどゆるくて暖かで、何か快適だけど妙にイライラさせられる感じもする。平日が特に調子が上がらない。でも妙に忙しくもある…というような、そういう事のせいにしておきたい気持ちもある。