運転免許更新ほか


昨日と同様、一日中家に居たい気分だったが、髪を切るのと免許更新の用事を片付けるために外出した。でも一歩外に出たら、空は眩しく、空気は高らかに香り踊るようになまめかしく、公園の緑はなりふり構わずとめどもなく溢れ出すようで、大げさでなく驚嘆するほどの素晴らしい晴れの日曜日であった。ほんとうに初夏が、もうすぐそこまで来ているのだ。


自分の頭髪における格好については実のところ、ぼやーっと去年の年末あたりからイメチェンを計画していて、やや伸ばし気味&ゆるくパーマ&微調整などのトライを半年かけて数度にわたり試行してたのだが、やはり本来ずぼらで、日々、毎朝ちゃんとセッティングするとかの手間をかけられない(やる気がない)ので、その結果、何をしても数日で、単なるウザいぼさぼさ状態になってしまう状態に甘んじていた。こういうののもくろみが成功するか否かは、日々の労力コストをかける気があるのかないのか?に大きく左右される。中途半端にやろうとしても駄目だ。という訳で、ついに本日、作戦の失敗と撤退を自分に表明して、ざっくりと短くカットした。短くしてもスタイリングとかなんとかをやらなければ、やはりぼさぼさなのだが、同じぼさぼさでも短めの方がやはり見た目はごまかしやすい。だからこれでいいのだ。


で、そのまま運転免許更新のため東陽町へ行く。素晴らしい日差しなので、歩いてると気分がよく、そうするとどうしてもビールが呑みたいというスイッチが入ってしまう。。たしか5年前の更新もやはり大変良い天気で、それで行きがけに一杯呑んだのだった。で、ほろ酔いで更新手続きに行って…それでその影響として一瞬やばかったのが「視力検査」なのであった。僕は今までずっと裸眼のまま生活してる人で、コンタクトもメガネも持ってないのだが、視力はここ数年で確実におちている。ましてやちょっとでも呑むと、本当に見えない。ありえないくらい、見えない。5年前の視力検査時はだから、超ぎりぎりで、ほとんどあてずっぽうに上とか下とか右とか言って、なんとかパスしたのであった。…その記憶があるので、今日は呑みたくても我慢である。


試験場について、いよいよ視力検査である。…でも、素面なのに、実際みたら、やはり見えない。前回より見えなさが悪化してる。予想をはるかに超えて、ありえないくらい、見えない。いや前回もそうだし、よく美術館とかに行っても思うことなのだけど、明るい日差しの下を歩いていて、いきなり建物の中に入って、その薄暗い世界に目の照度を合わせることに、思いのほか時間がかかってしまうのだ。そんなすぐに「絞り」の調整できないですから!そんなイマドキのレンズ持ってないですから!!みたいな。…よく日本画とか障壁画なんか、薄暗い展示室のガラスの向こうに展示されていることが多いけど、それを見るのは大変である。というか、ちょっと妻のメガネを借りて、それをかけて見直すと、あまりの解像度のよさに驚愕する事がある!ほんとうにアナログとデジタルハイビジョンくらいの違いがある。こんなに見えるものか!と思う。…だから今回だって、急に明るい外から、いきなり薄暗い、蛍光灯の下に照らされてる空間に入って、そのまま双眼鏡みたいなものを覗かされて、それで上か下か言って見ろ!とか云われても、そんなの無理なのだ。


だったらもうメガネすればいいじゃない。という話なのだけど、でも常にデジタルハイビジョンで世界を見てる必要は無いわけで、普段はアナログで充分な訳で、だからメガネとかは全然必要性を感じてないのだけど、でも困るのがこういう試験とかのときなのだ。


「今すぐ再挑戦しても、どうせ同じ結果になるんだから、ちょっとそこ奥行ったところに洗面所があるから、そこで一回、目を洗って、しばらく休んで、落ち着いて、もう一回だけ、二回までの挑戦が許されているから、もう一回やってみなさいよ、、…それで駄目なら、貴様は免許を更新する資格なぞもたないのだ。どのツラ下げてきやがった!?てめえの目は文字通りフシアナだな!おとといきやがれ、このクズが!!」…と、公僕に罵られつつトイレで顔を洗い、目を洗い、深呼吸して、再度挑戦。はいこれは?という問いかけにたっぷり三十秒以上の時間をかけて、照らされている記号を見つめる。ぼやーっとした黒っぽい斑点が次第に、かろうじて焦点を結んでくる…ような気がする。かなりの思い込みというか、ふだんあまり使わない超能力を駆使して、「上です」とか「右です」とか言って、結果、どうにかパスした。検査官のおっさんの「…まあいいか、しょうがねえなあ」という気分がしっかりとこっちにも伝わってきた。いやオーケーです!許可のハンコさえもらえれば、それで良いんです。…なんだかアメリカ入国審査に受かった20世紀初頭の移民の気分であった。


無事に免許更新の後、帰りに一杯やった。時刻はもう夕方に近づいていてやっぱり昼すぎに呑めればそれがベストだったけど、まあ仕方が無い。よしとしよう。というか、呑んでも呑まなくても見え方は変わらないようなので、次回からはちゃんと呑んでから行くことにする。…次回からはもうメガネ必須であろう。