消費税


消費税法が施行されたのは、いつでしょうか?…正解は、1989年です。1989年4月1日からスタートです。日本で消費税が始まったのはほぼ平成からです。今でもかすかに、記憶にありますけど、これは本当に、画期的な法律でした!いやもちろん増税なので嬉しくないですけど、何しろ画期的でした。要するに、表示価格と実際に支払う金額が違うという事態を、生まれてはじめて経験したのです。100円の品物を買うと、103円支払うのです。これは、本当に、実際に、3円余分に、払うのです!…今思い出しても、これは本当に、驚くべきことでした。どういう3円なのか、まったく意味がわからなかったですけど、当時の自分もさすがに3円余分に払いましたから、それほどこの制度はものすごかったのです。なにしろ買い物するとき、財布の中の1円とか5円などを、買い物に使用するという経験自体、当時ほとんどの日本人にとって初体験だったのです。あんなにたくさんの1円や5円の硬貨が、公共のポストか何かに入れらたという悪戯で、でも今までそんな事が、そうそう多くあるとは思えない。消費税法施行前は、1円や5円は、貨幣ではありますが、実質は貨幣とみなされておらず、財布の中にそれらが発生した場合、すみやかに自宅の一角にある大きな壷の中に投げ入れられていたのです。1円とか5円という貨幣の存在理由は、要するにそういう事であり、それ以外の如何なる理由も無かった筈なのです(うろ覚え、違うかも)。しかし、いまや、1円や5円は我々の商取引ならびに消費活動全般に、くまなくすみずみと細部に至るまで浸透して日夜活躍しているのです。たとえば、178円、などという極めて中途半端な値段の商品が現実に大量に販売され、売値を教えられた買い手は躊躇無く1円硬貨を8枚出したりするのです。そしてそれをとくに不思議でもなんでもない、ごく当然の支払い行為と思っているのです。私は、この世間のあらゆるモノの変遷の早さに、まことに驚くべきものがあると感じずにはいられない、という言葉をここに記すにとどめます。