消費税

1989年4月に3%で消費税が初めて導入された。僕は高校生だった。その頃を知らない人にはぴんとこないだろうが、まだ消費税のない時代、小銭入れの中に一円や五円硬貨が混入することはほぼ無かった。少なくとも高校生の買い物において、端数が割り切れない価格の商品というのはほぼ見かけなかった。それが、導入を機に3%分の端数硬貨が財布に溜まり続けることになる。


1997年4月に5%引き上げ。5%になるということは、一円硬貨の使用頻度がすこし下がるのだろうと思ったし税込み価格の計算もしやすいことになりそうだと思った、が、たしかに計算はしやすくはなったと思うが、端数が無くなることはなかったような気もする。そして2014年4月さらに8%引き上げとなり、ここにきてさすがに税率の重みを感じはじめた気がする。何を買っても、さいきんは素朴に、あー消費税高いなと思う。会計のときに、思ってたよりも結構支払ったと思うことが、多くなった気がする。コンビニなどの支払いのときなどでも(税込み価格だと高い!)とか、常に感じているのかもしれない。しかしそれは、2014年以降の自分が一応経済的には自立して生活しているからかもしれない。5%に引上げの97年時点で、僕はまだ実家暮らしでふらふらしてた。しかし基本的な経済感覚(のだらしなさ、大雑把さ)は今も昔も変わってない。


そして来年、まだわからないけど、ついに税率一割の世界へ突入の可能性が出てきたらしい。一割って、大げさかもしれないけど、もはや消費行為全般に対して今までの認識があらたまるような気がする。もちろん欧州各国とかに較べればまだ課税率低めとはいえ、ここは日本であって、今まで生活してきたこの日本で、ここにきて価格に対して一割上乗せは、感覚としては、ぐっと重く感じる。「今までの日本と違う」という感じがする。率ではなく、大台に乗った、一線を越えたという事実が重い。へんな目くらましみたいな軽減方策も模索されてるみたいだが、キャッシュレス化促進の流れも今後ますます強化されては行くのだろうが、いやあ…僕もこの年までのほほんと生きてきたけど、いよいよ来たるべき災害に備えたいような、引き締まった気分になるべきかも、などと思ったりもする。まあ、そういうのを全部「気分」で考えてるだけなところがダメなのだろうが…。