景色へ


風景は、僕を「お前は妙な人間だ」と言って冷酷な態度で無視するのですが、僕から言わせれば、風景の方がよほど妙で、大変とらえどころのない様子なので、何をどうすれば良いのか、さっぱり分からないので、とにかくその場にとどまり、ひたすら目の前のありようを見て、そのままの勢いで、相当いい加減に、勢い任せの出まかせに書いてみたりもするのです。だからそれを、あとは勝手に解析してくれれば良いのだと思います。それで僕のほうは何も感じませんし、傷つくこともありません。風景はもとより誰の事も気に留めず、過去から未来にいたるまでずっと、何も変わらずそのままの風景としてあることを望んでいるのでしょうから、僕もそれにことさら反抗するつもりはなくて、だから勝手にしようと思ってはいるのですが、でも木々の重なりの様子や光の散逸の様子は、ミステリアスでなかなか魅力的ではあるので、今後もなるべくたくさん連絡を下さい。ひきつづきこちらで観察しようと思います。