夏日


 朝の寝覚めが悪い方なので、起きてからもすぐに意識がはっきりしないし、恐らく体温も平常より低いと思う。だからなのか知らないが、朝方は気温が高くても、さほど暑いと感じないように思う。今日も午前中から、暑いのかどうなのかよくわからないまま、しばらくぼんやりとして、それから泳ぐかと思って出かけた。

 プールまで歩いて行くのは、さすがに暑かった。しかし、風がある分、少しはしのげる感じ。プールは、あらかじめ調べておかなかったのが悪いのだけど、たまたま行った時間で、子供教室がものすごい勢いでやっていて、プールの九割に子供がぎっしりで、騒がしいカルガモみたいなのが視界全部にいっぱいいた。大人は、端の1コースに押し込められている状態で、のこりの全コースで、小さいのが盛大にばしゃばしゃと水飛沫を上げているのを、しばらくのあいだプールサイドからぼんやりと見ていた。モデルガンがあったら、一匹ずつ狙って撃ちたくなるような感じ。それで、一応気を取り直して、少しだけ泳いだけど、さらに今日は、ゴーグルを家に忘れて来たので、裸眼で水に入って、それもあって、ますます泳ぐ気を無くして、結局五分か十分で退散する。それだけでも、両目が真っ赤に充血した。シャワーのあと、久々にサウナに行って、そのあと水風呂に身体を沈めた。全身を冷やして、再度冷たいシャワーを浴びて、それで着替えて外に出た。歩き始めて十分か十五分だけは、最高にさらさらとした爽快な気分で、炎天下の空の下を涼やかに歩いた。その後、再びあっというまに元の汗にまみれた。

 夕食は簡単にすませた。それでも、それはそれで、なかなか良かった。窓の外の、夕焼けに染まる空を見る。やがて日が暮れて夜になっても、まだ蒸し暑く、窓を開け放しておいて、たまに風がさーっと入ってくるのが救い。でも、これが夏だなと思う。この感じは、今だけはまだイヤではない。まあ、こんなものだろうし、こんなものですめばおんのじだ。